手遅れになる前に・・・子宮内膜症の予後について

   

45ec9aad7a6d0891f9b7ae27980713ad_sFROM 河村悠矢

今回も前回に引き続き、
子宮内膜症についてです。
今回は、子宮内膜症の具体的な病態と
どのような段階を経るのか、をお伝えします。

一般的な期分けとしての
第1〜4期を順に解説していきます。

第一期・・・自覚症状なし

この段階においては、
まだ自覚症状はほとんどありません。
何かのキッカケ(検査や手術)などで
発見されるケースがほとんどだと言われています。

この時期の子宮内膜症は
卵巣や腹膜といった、
子宮以外の部位に点々と散り、
少しずつ成長し始める段階です。

月経の際に剥がれた組織や血液が
その部位に溜まることで、
小さな血腫が作り出されます。
この小さな血腫は青黒いので
ブルーベリースポットとも言われたりします。

第二期・・・少しずつ兆候がみられる

子宮内膜症の病巣が月日を重ね、
増殖と剥離を繰り返すことによって
点状だった病巣が大きく広がっていく時期です。
この頃から月経時の出血が増えたり、
月経痛が少しずつ強くなってきたりと、
自覚症状が認められるようになります。このタイミングで気づき、
生活習慣を変えることや
治療を受けることが必要です。

第三期・・・緊急手術が必要となる場合も

大きく広がった子宮内膜症の組織が固まり、
周囲の卵巣や卵管、腹膜、靱帯などに癒着します。
この頃になると、性交痛も現れ始め、
月経痛がひどく、寝込む方もいらっしゃいます。
また、この時期に恐ろしい病態のひとつに、

『チョコレート嚢腫』と呼ばれるものがあります。
これは、病巣が卵巣の中で増殖した場合、
卵巣の内部が
まるでチョコレートのような血液で満たされることから
この名前がついたみたいです。

名前は甘くて、かわいい?
『チョコレート嚢腫』ですが・・・
非常に恐ろしい病態を招く恐れがあります。

確率としては少ないですが、
このチョコレート嚢腫が破れ、
その中身が腹腔内に漏れてくる場合があります。
こうなってしまうと大変です。
耐えれないような激しい痛みが起こり、
緊急手術が必要になる場合もあります。

第四期・・・激しい痛みが生活に支障を

第三期からさらに進行した癒着が
卵管や卵巣、子宮だけではなく、
膀胱や直腸、小腸など骨盤の中にある
臓器全体へと広がっていきます。
臓器ひとつひとつの
見分けがつかないほどに、
癒着がひどくなる場合もあり、
さらには、肺にまで発生する場合もあります。

骨盤の中にある臓器は
まるで冷凍されたかのような
ガチガチの塊になることから、
『凍結骨盤』と呼ばれます。

これほどまでに悪化した状態になると、
月経時にほぼ関係なく、
慢性的に、腰痛や下腹部の痛みを
感じることになるでしょう。
その痛みは、普段の生活にも
支障をきたすほどだと言われています。

手遅れになる前に

健康的で症状がなければ
ひとまずは安心できますが、
現代の多くの方は生理痛があり、
周期が乱れてしまうのが
当たり前のようになってきています。
誰もが子宮内膜症の危険性を知った上で、
自分を見直すキッカケになれば幸いです。

次回は子宮内膜症を防ぐ、
または治癒する方法について
お伝えしたいと思います。

本日も最後までお読み頂き、
ありがとうございました(^^)


まとめ

子宮内膜症は4つに期分けして考えられる。

病態は月日を追うごとに悪化する恐れがある。

慢性的な腰痛や下腹部痛になる場合もある。

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