免疫とは何か?③〜自律神経と白血球の関係〜
FROM 河村悠矢
今回も免疫シリーズの続きのお話しをします。
前回・前々回の記事はご覧頂けましたか?
まだの方は是非ともご覧ください。
時間のない方に簡単なおさらいをしますと、
その①では、私たちの体は
60兆もの細胞から成り、
多細胞生物である
という内容でした。
原点は皆、単細胞生物であったのが
進化の過程の中で、集団としてひとつの体を
作るようになりました。
その②では、
ストレスがかかることは体に負担がかかる
ということをお伝えしました。
ただ、ストレスというのは、苦しい・忙しい等
興奮してしまう状態だけでなく、
好きなものをお腹いっぱいに食べ、
運動不足で楽な生活を送ることも
筋肉・骨格に負担がかかり、ストレスになる・・・
そんな内容でした。
さて、その③である今回は、
自律神経と白血球の関係性をお話しします。
白血球は、体を守る重要な役割を持っていますが
主に3つから出来ています。
顆粒球・リンパ球・単球(マクロファージ)です。
このうち自律神経と関係しているのは、
顆粒球・リンパ球です。
その①の記事でも説明しましたが、
顆粒球は、主に細菌を直接攻撃し、
その結果、死骸となる“膿”を出します。
「直接食い殺す」というのがわかりやすい例えです。
一方、リンパ球は、「抗体」という武器を作ります。
この抗体という武器は、
初めて異物と出会った際には持っていませんが、
再びその異物と出会うまでに作りおきしておき、
出会った瞬間に
「チャンス!」
と言わんばかりに
攻撃を仕掛けます。
一般的な予防接種の考え方は、
この抗体を作ることを目的にしています。
(個人的に予防接種は反対ですが・・・苦笑)
というように、身体を守ろうとする働きがありますが、
実は、この顆粒球とリンパ球は自律神経により、
作られる割合が変わってきます。
興奮している(交感神経優位)場合は、
顆粒球が多く作られ、逆の
リラックスしている(副交感神経優位)の場合は、
リンパ球が多く作られます。
なぜこうなるのかというと、
顆粒球の細胞の膜上には、
興奮している時に分泌される
アドレナリンを受け取る“受容体”という
センサーが付いているからです。
リンパ球も同じ仕組みで、
リラックスしている際に出る
アセチルコリンの受容体が備わっているからです。
このように、その人の性格や、生活環境によって、
作られる白血球の種類は異なるのです。
次回は、白血球のバランスの乱れが原因で起こる、
疾患をそれぞれ例に挙げて、ご紹介します。
本日も最後までお読み頂き、
ありがとうございました(^^)
まとめ
顆粒球は、膜上にアドレナリン受容体を持つ。
なので興奮状態ばかりだと顆粒球が多くなる。
リンパ球は膜上にアセチルコリン受容体を持つ。
なのでリラックスばかりだとリンパ球が多くなる。
よって、性格・生き方が免疫を左右する。